パラワン・ジャングル・スクールにまつわる物語
写真家のジャスパー・イトゥリアガは、パラワン島の辺鄙なジャングルの集落を初めて訪れた際、教育を受けられないことが、全世代の発展を阻んでいる現実に強い衝撃を受けました。ジャスパーは、そこで自分が最も得意とすることを実践しました。
つまり、それは目の前で見た光景を記録することでした。彼はその動画をオンラインで公開し、ソーシャルメディアを通じて世界中の人々にこの問題に関心を持ち、より良い未来を築く手助けをしてほしいと呼びかけました。
すると、わずか数日のうちに、何千人もの人々から寄付や支援の声が寄せられました。
多くの人々の心に響いたのは、「すべての子どもには基礎教育を受ける権利がある」という信念でした。わずか数年で、何百人もの子どもたちが「ジャングル・スクール」の教育システムを受けることができました。
今日、最初の生徒たちが大学進学を実現し始めており、これはオンラインで共有されたたった一つの物語からスタートした長期的な変化の幕開けを告げるものとなっています。
私たちはジャスパーにインタビューを行い、このプロジェクトがどのように始まったのか、そして今後どのような方向へ向かって行くのかについて話を聞きました。
探訪の記録として、我々は山にハイキングに出かけ、学校を自分の目で確かめてきました。
パラワン・ジャングル・スクールズ・プロジェクトは、どのように始まったのでしょうか?
それは予期せぬ形で始まりました。私は、辺境の先住民コミュニティに医療搬送を行う友人を訪ねるため、パラワン島へと旅立ちました。パラワン族の人々が直面している課題、とりわけ教育を受ける機会の欠如を目の当たりにし、私はその場を離れることができなくなりました。
多くの大人たちは読み書きができず、作物を売る際には不利な立場に置かれていました。私は、教育とは単に読み書きを身につけることだけではなく、尊厳や機会、そして彼らの未来を守ることに他ならないと気づきました。
私はこのコミュニティの物語をオンラインで発信し始めると、世界中の人々から反響がありました。一般の方々からの寄付により、総額10万ドル以上が集まり、先ずは2校のジャングルスクールを建設することができました。予期せぬ訪問から始まったこの取り組みは、今もなお現地の人々の人生を変え続ける運動へと発展しています。
どのような経緯で、チャイルド・インパクト・フィリピンのカントリー・ディレクターに就任することになったのですか?
ジャングル・スクールでの経験を通じ、教育がすべてを変えることを痛感しました。これまで鉛筆を握ったことさえなかった子どもたちが、教師や看護師、あるいは自分たちのコミュニティのリーダーになることを夢見るようになる姿を目の当たりにしました。
チャイルド・インパクト・フィリピンに参加することは、私にとってごく自然な次のステップのように感じられました。現在、私は現地のリーダーたちと協力して支援を必要とするコミュニティを特定し、全国でのプロジェクトを統括するとともに、人々の行動を促すようなストーリーも伝え続けています。
我々の使命は、教室の枠を超えています。私たちは、すべての子どもが教育、栄養のある食事、医療、そして安心して成長できる場所を享受できるようにしたいと考えています。
なぜ、こうしたジャングル・スクールはそれほど重要なのでしょうか?
こうした学校がなければ、多くの子供たちは教育を受けることができませんでした。学校が建設される前は、最寄りの公立学校に通うためだけに、何時間も山道を歩いて行かなければならなかった生徒もいました。多くの家庭にとってそれは不可能なことでした。現在では、子供たちは自宅の近くで学びながら、授業や実生活で役立つスキルを身につけ、多くの場合、その日一番の栄養価の高い食事も摂ることもできています。
ボランティアの教師たちは、このプログラムの要です。彼らは自ら進んでこうした辺鄙な地域に住み、生徒たちを指導し、信頼されるリーダーとなっています。これらの学校は、単なる教育機関にとどまらず、希望と機会を生み出す場所にもなっています。
これまでに目にした中で、最も大きな影響は何でしょうか?
何よりも大きな影響は、希望がチャンスへと変わるのを目の当たりにしたことです。かつて学校に通う機会さえなかった親たちが、教育がもたらす変化を実感したからこそ、今では子供たちに学校を続けるように励ましています。
当校の最初の生徒たちの中には、卒業後に大学に進学した者もいます。これはかつてほぼ不可能と思われていたことでした。現在、ジャングル・スクールの生徒7名が高等教育を受けており、子供たちに学ぶ機会が与えられれば、何が可能になるかを証明しています。
将来において、どのようなビジョンをお持ちでしょうか?
我々のビジョンはシンプルです。どの子供も生まれた場所によって可能性を制限されるべきではないということです。私たちは、教育への機会を広げ、既存の学校を強化し、教師を支援し、栄養価の高い食事を提供し、すべての子供たちが成功するために必要なリソースを確実なに得られるようにしたいと考えています。そのビジョンはすでに現実のものとなりつつあります。
私たちの最初の生徒の一人であるメッシーは、かつて自分が学んだまさにその学校に戻って教えることを目標に、現在は教育学を学んでいます。
このプロジェクトをどのように支援すればよいのでしょうか?
支援の方法には、子どものスポンサーになることやジャングルの学校を支えることから、食事や学用品の提供、教師へサポートに至るまで、さまざまな形があります。
そして、これらの物語を広めることも同様に重要です。こうした学校が存在するのは、人々が物語に触れ、関心を持ち、他の人々にも同じように行動するよう促したからこそです。
寄付、情報の共有、会話のすべてが、自らの未来を切り開くチャンスに値する子どもたちのため、新たな機会を創り出す助けとなります。